住宅の保証内容と保証期間
そろそろ家を買おうと思うけど、どこがいつまで保証してくれるの?なんでも壊れたら直してくれるの?テレビで施工不良が保証されずに裁判になってるのを見たけど私住んでる家は大丈夫か心配。そんな皆様の声に住宅の保証内容や保証期間について、出来るだけわかりやすくご説明いたします。

新築住宅の保証
瑕疵担保責任※法律で決められ必ず保証
保証期間
- 引き渡しの日から10年
保証内容
- 構造耐力上主要な部分・・・柱や梁など
- 雨水の侵入を防止する部分・・・屋根や壁など
免責事由(保証されないケース)
- 経年劣化・・・シーリング材など
- 自然災害・・・地震、台風、落雷、洪水、豪雪などの予想を超える規模の災害
- 居住者の故意や不適切な維持管理・・・自分で壁に穴をあけた、ベランダの排水溝の掃除をしていなかったなど
- 地盤補強工事・・・地盤は住宅ではないので保証外
※瑕疵担保責任についてくわしく知りたい方はコチラ
契約不適合責任※法律で決められて必ず保証
特約がない場合の保証期間
- 引き渡しの日から10年
- 買主が「契約不適合」を知ってから売主に通知するまで1年
- 買主が「契約不適合」を知ってから権利行使まで5年
※この3種類で一番短いものが採用され、例えば引き渡しから6年後に契約不適合の状態を知ったとしたら10年が時効となります
特約がある場合の保証期間
- 売主が不動産会社など宅地建物取引業者の場合・・・2年以上
保証内容
- 契約書に記載がない施工不良などを、入居後に知った場合は保証される場合がある
免責事項
- 契約書に記載された内容
建設会社や保証会社などの独自保険※契約で決める保証
- 構造耐力上主要な部分、雨水の侵入を防止する部分・・・20年など
- 住宅の上記以外の部分・・・2年など
- シロアリ・・・5年など
- 地盤補強・・・10年など
- ユニットバス、キッチン、トイレ、洗面台などの住宅設備・・・1年など
※この保証内容や期間は各社により違い、内容も無料保証期間や有料延長保証などあるため、契約前に必ずよくご確認ください。
新築住宅では必ず保証される瑕疵担保責任と契約不適合責任と、建設会社や保証会社などの独自保険の3種類を同時に受けられます。
いつ何の保証が切れるか分かりやすくするために、ご自分で年表を作成して、引き渡しの後は年に一回は確認し、そして保証が切れる最低1か月前には不良がないか確認のために、ホームインスペクションをおすすめいたします。
※ホームインスペクションをお探しの方はコチラ
中古住宅の保証
瑕疵担保責任※法律で決められている保証
保証期間
新築時の引き渡しの日から10年
※中古住宅で購入しても瑕疵担保責任は引き継ぎます。他の独自保証は引き継ぐ場合もあるので、購入時に必ずご確認ください。
保証内容
- 構造耐力上主要な部分・・・柱や梁など
- 雨水の侵入を防止する部分・・・屋根や壁、開口部
免責事由※保証されないケース
- 経年劣化・・・シーリング材など
- 自然災害・・・地震、台風、落雷、洪水、豪雪などの予想を超える規模の災害
- 居住者の故意や不適切な維持管理・・・自分で壁に穴をあけた、ベランダの排水溝の掃除をしていなかったなど
- 地盤補強工事・・・地盤は住宅ではないので保証外
※瑕疵担保責任についてくわしく知りたい方はコチラ
契約不適合責任※法律で決められている保証
特約がない場合の保証期間
- 引き渡しの日から10年
- 買主が「契約不適合」を知ってから売主に通知するまで1年
- 買主が「契約不適合」を知ってから権利行使まで5年
※この3種類で一番短いものが採用され、例えば引き渡しから6年後に契約不適合の状態を知ったとしたら10年が時効となります。
特約がある場合の保証期間
- 売主が不動産会社など宅建業者の場合・・・引き渡しの日から2年以上
- 売主が不動産会社以外の個人・法人の場合・・・期間は任意で決める、だいたい2~3か月
保証内容
- 契約書に記載がない施工不良などを、引き渡し後に知った場合は保証される場合がある
免責事項
- 契約書に記載された内容
このほかにも不動産会社以外の個人・法人の場合であまりにも築年数が古い住宅など、売主と買主の合意によって「契約不適合(瑕疵担保)責任を一切負わないものとする」という特約を結ぶこともあります。
※契約時には不良個所の内容をよく確認してください。
既存住宅売買瑕疵保険※任意の保険
保証期間
- 売主が不動産会社など宅建業者の場合・・・2年または5年
- 売主が不動産会社以外の個人・法人の場合・・・1年または5年
保証内容
- 構造耐力上主要な部分・・・柱や梁など
- 雨水の侵入を防止する部分・・・屋根や壁、開口部
加入条件
ホームインスペクションを行い、現状で特定の不具合がないことを確認できれば保険料を支払い加入できます。
※既存住宅売買瑕疵保険についてくわしくはコチラ
中古住宅では物件の築年数や売主などで保証内容が変わります。契約をする前に保証期間、保証内容、免責事項をご確認ください。
リフォーム、リノベーションの保証
契約不適合責任
対象物件の築年数や、不具合の不便の度合いが高いなど様々な条件があり、一定の条件がないため期待しないほうが良い
施工会社や設備メーカーなどの独自保証※契約で決める保証
保証期間と内容
- 構造耐力上主要な部分、給排水設備・・・2年など
- 住宅の上記以外の部分・・・1年など
- ユニットバス、キッチン、トイレ、洗面台などの住宅設備・・・1年~2年
※この保証内容や期間は各社により違いますので契約前に必ずよくご確認ください。
リフォーム瑕疵保険※保険法時に加入している登録事業者のみ
保証期間と内容
- 構造耐力上主要な部分、雨水の侵入を防止する部分・・・5年
- その他の箇所・・・1年
加入条件
保険料を支払い加入できます。
※この保険は事業者が倒産した場合にも保証されます。くわしくはコチラ
リフォーム、リノベーション物件では、施工会社などで保証内容が変わります。契約をする前に保証期間、保証内容をご確認ください。
まとめ
ここまで見ていただいて同じ住宅でも、新築、中古、築年数などの違いで保証の内容が違うことをわかっていただいたと思います。ご自分が買われる物件の保証内容を頭に入れていただいて、契約時には契約書に書かれている保証期間、保証内容、免責事項をご確認いただいてご購入してください。
そして引き渡し後の保証が切れるその前に、不良個所がないか確認のためホームインスペクションをご利用いただき、不安を取り除いていただければ幸いです。
※ホームインスペクションをお探しの方はコチラ
プロフィール

- ホームインスペクター
-
1983年生まれ
広島県出身
広島工業大学専門学校卒業
建築の設計・施工・解体を経験し様々な知識を併せ持っています
2級建築士・1級施工管理技士・宅地建物取引主任者の資格を保有しています
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